2023.06.14 エンジニアズコラム 赤外線

第2回 赤外線とは

電磁波の分類

ヒューテックでは、赤外線を検出できるエリアカメラを開発・製造・販売しています。そこで、赤外線についてお話しします。

 

赤外線は、電磁波の一種です。図1に電磁波の分類を示します。赤外線が電磁波の一種と聞いて、「あ、赤外線って電波なのか」と思われた方がいるかもしれませんが、電波法の定義による電波とは、“周波数が3 THz以下の電磁波、または波長が100µm以上の電磁波”を指します[1]。つまり、電波法上、電磁波と電波は、明確に範囲が異なるので注意が必要です。

図1 電磁波の分類(※波長範囲を抜粋)

 

ちなみに、私たち人間が目で感知している可視光線は、波長がおおよそ380~780 nmの電磁波です。この波長範囲を電波法と照らし合わせると、可視光線は電波ではない電磁波という位置づけになりますね。

 

それでは、赤外線はどうでしょうか?赤外線は可視光線とは違って、私たち人間の目では感知できない電磁波で、波長はおおよそ780 nm~1 mmです。この波長範囲を電波法と照らし合わせると、赤外線の波長帯域には電波に区分される電磁波とそうでない電磁波が含まれることになりますね。

 

ここでは、電波法と照らし合わせて、可視光線や赤外線の位置付けの整理を試みました。しかし、電磁波の分類が切り替わる波長については統一されておらず、法律や規格、学問などによって異なります。そのため、上述の赤外線の位置付けについても、あくまで一例にすぎないと捉えてください。

赤外線について

さらに、赤外線について細かく見ていきましょう。実は、赤外線にも、表1や表2に示すような細分化された呼び方が存在します。ただし、表1、表2に示している波長についても統一された値が存在するわけではありませんので、あくまで一例と捉えてください。ちなみに、表1、表2を見てお気づきかもしれませんが、特に近赤外線や遠赤外線は、表1の分類で話をしている人と、表2の分類で話をしている人とで頭の中に思い描く波長帯にずれが生じやすいので注意が必要です。

 

赤外線は波長帯によってただ単に呼び方が変わるだけでなく、特性や検出するために使用するセンサーなども異なります。そのため、赤外線に関してやりとりする場合、表1や表2に記載している名称に頼り過ぎず、波長帯を数字で確認し合いながら進めることをおすすめします。

参考文献

1. 総務省電波利用ホームページ, “電波と安心な暮らし”,

参考URL:https://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/ele/body/emf_pamphlet.pdf, 2022年11月17日

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